生活記録ノート

毎日のこと、旅行記、趣味などいろいろ綴っていきます。現在0歳児子育て中。

昔の旅~鹿児島・熊本~2016 1/30~2/3 ⑩

2月1日 ③

そこから、私は東市来駅まで歩くことに。
最悪、鹿児島中央駅に戻ってから昼食をとってもいいと思っていたところだった。
けれども、迷子になった。というか、単純な道なのに反対側に進んでしまったのだ。
おなかすいた・・・。朝ごはん、パンだけは、私にとっては拷問のようなもの。

ずーっと歩いていくうちに、ラーメンなどの幟が見えてきた。「天国が見えた!!」
進んでいくと、右側に良い雰囲気の「農家レストラン」が。

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ビュッフェスタイルの店で、以前岩手で行った農家レストランと似た店だった。
外は人がまったくいないのに、「よし、決定!」と中に入ると、
そこはもう本当にお昼のあたたかな空気のあふれたこじんまりとしながらも優しいレストランが。
席に座り、いざビュッフェ!と思うと…あらまぁ。そりゃそうだよ。お昼は大体14時まで。
私が行ったのは13時15分。ビュッフェ、ほとんど売れ残りばかり…。

「あらまぁ」と心の中で思ったが、その売れ残りを器用にとり、食した。
全部おいしい。ナムルのようなひじきも、鶏肉の炊き込みご飯も、
茶わん蒸しも、豆腐ハンバーグも、ポテトサラダも、煮物も…。

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なんだこれは!!私は一気に幸せな気分になるのだった。
店の人に終了時刻を聞くと、「大体14時ですけど、まぁ食材がなくなったら終わりです」とのこと。

これだけちょこっと食べても、おいしくて、幸せになれば、これ以上望むことなんかないだろう。
食べ終わりさて行こうとしたら、店の人が「ごめんねぇ、少なくて」と話しかけてくれた。いやいや、大満足です!と話し、店を出る。
鹿児島中央駅の電車は、あと10分で出発。そのあとは、1時間後だ。東市来駅までは、ここから徒歩で何分かかるのだろうか。
 
すぐ横にある、こけけ特産品販売所で、レジの方に尋ねる。「うーん、15分くらいかかるんじゃないかなぁ」
事情を知った女性が、車で送るよ!と言ってくれたのだが、バタバタ急がせるのもあれなので、1時間ほど待つ道を選んだ。
ぼーっとそこの販売所を見て、見て、見て。あまりにも暇そうな私に、その女性が話かけにきてくれた。
なんでも、自立をした4人の子供がいるお母さんだった。
埼玉から来た、という話から始まり、ここの町が韓国とつながりがあり、昔次女が韓国にホームステイをし、逆に韓国の高校生がホームステイに来たこともある、と話してくれた。
他にもいろいろな話をし、なぜだか家族の話になり、身の上話を始めた。

試食のみかんを食べながら、親子の関係やら、なんやらをひたすら話していた。
なぜだか私を実の子供のように心配してくれたことを今でも思い出す。
やっぱり、子供が親を超えて自立していかなければならないし、親は親で趣味などを見つけて人生を楽しまなければならないし。
楽しそうに仕事をするお母さまの姿をみて、元気をもらった私だった。

試食のみかんがおいしかったので、120円で15個くらい入っている小ぶりのみかんを購入。
「押し売りしたみたいねぇ」と笑っていたけれども、本当においしかったから買ったのだ。
電車の時間が近づき、帰るときも、「傘もってき!」と言ってくれたり、大通りに出たあとも見送ってくれて、また絶対に会いたいなぁ、と思う人が増えた。
とっても素敵なお母さんだった。やっぱり人間は明るく生きなければならない!愚痴とはおさらばだ!会いたいな。

鹿児島中央駅の電車に乗り、帰りの電車は感慨深い思いでいっぱいだった。
荒木陶窯での出会いや、アップルミントのおばさん、こけけ特産品のお母さまなど、本当にやさしくて、また会いたい人ができたことについて、なんて自分が幸福なのだと思ったひと時だった。

つづく