生活記録ノート

毎日のこと、旅行記、趣味などいろいろ綴っていきます。現在0歳児子育て中。

昔の旅~鹿児島・熊本~2016 1/30~2/3 ④

1月31日 ①
この日は私の中では大イベント、知覧へ行く日である。
卒業論文を書く際に参考にした「きけ、わだつみの声」などでもおなじみの、
特攻隊の若者たちが時代の犠牲になり、大切な命を国のため…に使ってしまった…最後の地である知覧。

ここには、知覧特攻平和館や、その特攻へ行った若者がよく利用した冨屋食堂を復活させ、
記念館としたホタル館冨屋食堂がある。私は、この二つに必ず行きたいと考えていた。
「きけ、わだつみの声」をはじめて読んだとき、本当につらかった。理解ができなかった。
なんで、若者が犠牲にならなければならないのか。そして、死ぬとわかっているのに、なぜ志願したのか。
知覧は、鹿児島中央駅からバスで南に1時間ほど走った場所にある。
知覧茶が有名で、あちらこちらに茶畑がある、とても静かな町だ。

その日、私は旅行の楽しみでもある「モーニング」を駅前で探しはじめることからはじめた。
先日、路面電車で焦燥感を感じた私は、鹿児島中央駅まで徒歩で行くことに。
歩いていると、昨日の夕方は見えなかったものが見えてくる見えてくる。
驚いたことは、カラスの多さ。普通に道路にたくさんいるし、女性は30センチ以内にいるのに、平気で歩いている。

天文館のあたりは、朝まで飲んでいたのであろう若者たちが数組いた。
8時7分のバスに乗りたいのに、7時半になってもいい朝ごはんの店が見当たらない。
しょうがない、と思い駅の中に入ったら、コーヒー、ヨーグルト、じゃがいも&チーズトーストで450円という店があり、時間も時間だしここに決定。
最初は歯のこともあるからクラムチャウダーにしようとしたのだが、これは単品しかなく、結局は450円のセットのものを頼んだ。

レジの女の子が、上司のような人に、「クラムチャウダーもセットではだめですか」、
と聞いてくれて、結局だめだったが、それでも聞いてくれただけでうれしかった。
このじゃがいも&チーズトーストが、おいしかった。パンがふわふわ。

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幸せな気分になった。
ただ、奥歯両方3本を駆使して食べることに一生懸命であった。
7時50分までに食べ、歯を磨き、それから走ってバス停に行こう、と決め、その通りに行動したところ、無事に知覧行のバスに乗ることができた。

バスの乗客は10人もいなかったかな。
知覧には、特攻平和会館のほかに、武家屋敷という、国の重要伝統的建造物群保存地区がある。
そこでは、親子連れと数人が下車した。
(特攻平和館まで行く人は案外少ないんだな…)と思ったが、ついてみると案外人がいた。
館内に入る前に、周囲をうろうろ。三角兵舎という、空襲を避けるための半地下式で建てられたものを見学。
暗く、じめっとした部屋に、布団がしいてある。

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ここは、出撃前の数日間特攻隊員たちによって使用されたものを復元されたものであったが、暗く、いやな感じの雰囲気が吸い付いてきた。
謎なのが、その三角兵舎のすぐ横のあたりに、ラーメン屋があったこと。なぜここに…?
それはいいとして。いざ、中へ出陣。

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入館料は500円。まず、目に入るのが、隊員たちの写真だった。
ひめゆりの塔にもある。私が高校2年生のとき、はじめて沖縄へ行ったときのことが思い出される。
あの時は今よりももっと幼くて、ひめゆりの塔の彼女たちの顔を、見ることができなかった。
怖かったから、というのが第一の理由。
“死んだ人”というのがあまりにも怖くて、今も理解できていないけれど、その時はもっと理解できていなかったんだね。

それから去年の11月にまた沖縄旅行でひめゆりの塔へ行ったときは、
彼女たちの顔や、エピソードをしっかりと見る余裕が生まれていたので、自分でもびっくりした。

つづく