生活記録ノート

毎日のこと、旅行記、趣味などいろいろ綴っていきます。現在0歳児子育て中。

昔の旅~鹿児島・熊本~2016 1/30~2/3 ⑪

2月1日 ④

鹿児島中央駅に着き、私は島津義弘の庭園がある「仙巌園」へ行こうとする。
しかし、営業時間は16時半までのため、結局、仙巌園のそばにある名物「両棒餅(ぢゃんぼもち)」を食べに行くことに。
以前から予定していた通りに、町巡りバス乗り放題の券をなぜか買い、鹿児島中央駅から仙巌園の方へ行こうとした。

そこで中国人の家族連れにユニクロの場所を聞かれる。奥さん、英語が流暢なのだけれども、全然何を言っているのかわからない。
ユニオン!ユニオン!っていうから、はて、なんのことだと、中国の友人に訪ねようと思い、とりあえず行きたい場所を中国語で書いてもらった。すると、それがユニクロであることがわかったのだ。
昨日、夕飯を探しているときに駅と隣接したアミュという商業施設を練り歩き、地下にユニクロがあったことを思い出したので、「下!下!」といい、別れた。

それから、町巡りバスがもう到着していて、バスに飛び乗った。
仙巌園」の次の駅が「磯海水浴場前」で、他の地図をみるとこっちの停留所の方が両棒餅がある店に近いのかと思い、バスの運転手の方に尋ねてみた。すると、「うん、そうだね、次の駅の方が近いよ」というので、それに従うことにした。

そのバスの運転手のおじさんが、本当にいい人だった。
私はまだ鹿児島の町中を歩いているわけではなかったので、西郷隆盛の像や、ザビエル公園などに足を運んでいなかった。
なので、「お~これが西郷隆盛か」とか話しながらいうと、道路の真ん中なのに「あそこで止まるから、写真撮りな」と言ってくれたり、また、時間調整で誰も乗り降りしない停留所に止まっているときは、「時間ないのにごめんねぇ」と申し訳なさそうにいうのだ。そんなこと、仕方ないのに。

来たばかりのときは、「埼玉からきた」ということで、かなり遠方からきた旅行者であった私を演じていたが、
「アップルミント」で、「この前、北海道からきた子がいたのよ~!」という話を聞いたので、
おじさんに「遠いところからきたねぇ」と言われ、「いや、近いですよ、北海道に比べれば」と言ったら、おじさんが笑っていた。

なにしろ乗客が私しかいなくて、おじさんと他愛のない話をしているうちに、仙巌園まで着く。「まだ少し時間あるから、仙巌園にも寄っていったら?」と言われたが「いや、お餅をゆっくり食べたいので」と笑いながら、磯海水浴場前で降り、おじさんに別れを告げた。

とてもいい方だった。降りる直前まで、丁寧に私の行きたい両棒餅の店を教えてくれて、入る。
男はつらいよ』のロケ地でもあったというから、ファンにはたまらない場所であるだろう。
店内は、ボロい、がよくあう感じ。(決して貶しているわけではない)
この両棒餅、なんと1人前が一口サイズの餅11個くらい。1人前以下はあるんかな、と思いながら、「一口サイズなので、すぐ食べれてしまいますよ」というお姉さんの言葉を信じ、注文。

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多い。それが初見の印象である。この両棒餅、名前の由来は餅に棒が2本刺さっているからだという。
この両には、中国語の二である、「リャン」が由来しているともいう。
みたらし団子と似た感じなのだが、少し違う。みそが入って、甘辛い。そして、飽き易い。
最初の4口まではおいしくバクバク食べたのだが、最後の方は、「つ、つかれた…」という感じで、お茶と一緒に流し込むという事態に。
結局1個残し、石橋記念公園へ行くことに。町巡りバスの乗り放題券は、3回使用しなければならないので、このまま鹿児島中央駅に戻るのではもとがとれない。
やっぱり、こういう券には裏があるんだ、と、夕方から行動したくせに文句を言いながら移動。

石橋記念公園には、西南戦争の慰霊塔などがあり、思ったよりも見ごたえのある公園だった。

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ここについたのが17時ちょうどなのだが、石橋記念館が17時で閉館。けっと思いながら、公園を練り歩く。
町巡りバスの終電自体が18時なので、17時半のバスに乗って帰ろう、と、それまでの散歩だった。

西南戦争では13,000人ほどの人が亡くなったという。なんだか、本当に、昔であればあるほど、
犠牲の数は膨大で悲惨であるのに、想像しづらいがゆえに、彼らの死について考える機会はほとんどない。
特攻隊など、写真が残っているような時代の悲劇なら想像がたやすいんだけどね。なんて考えているうちに、あっという間にバスの時間。

なんと、帰りのバスが、最初に乗ったバスの運転手のあのおじさんだった。二人して顔を合わせ、(あぁ!また会ったな)と軽く会釈をし、バスに乗車したら、左に空気がものすごく黒い男の人が乗っていて、おじさんに話しかけようとしたけどやめておいた。

その日はラーメンを食べたい気分で、駅ではなく天文館で降りて、周辺を探そうかと思いたつ。天文館に止まり、おじさんにありがとうございます、と言い、バスを降りた。
乗ってくるお客さんが多くて、もっといろいろと話したかったのだが、なんだか中途半端に感謝の言葉を述べられなかったことに少し後悔した。
人っていうのはつくづく欲張りだと思う。人っていうか、自分が?何かをしても、それ以上に何かをしたいというか。
あの時もっと何か声をかけられたのではないか、とか、安全運転でお願いします、とか言えたのではないか…
とか考え、少ししんみりとなる。おじさんの笑顔が忘れられないなぁ~と思う。親切で、不器用っぽく見えるけれどもとても温かい人だったから…救われた思いだった。

天文館の地図を忘れ、ネオン街の町を一人歩いていると、なんだか孤独な感じもするが、それでもあまり孤独ではなかった。ラーメン屋を探すが、思ったよりもない。少し歩かないと、人気な店はないようだ。
結局、今日も妥協しゲストハウスの近くの店を探す。すると、天文館からいづろ通りで歩く道の右へ少し曲がった先に、「柿の木」というラーメン屋を発見した。
そこで、一番人気であるという豚骨しょうゆラーメンを食べる。

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うん、おいしかった。順調に、鹿児島で食べたいものを食べている自信がある。そこで、私と同じくらいの年の青年が、お会計を済ましたあと、調理場にも向かって「ありがとうございます!」と大きな声で言っていて、少し感動した。

こっちに来て思うことは、人が温かいということ。私も迷子で数人の方にお世話になったが、みんな嫌な顔一つしない。
例えば、何かすぐに顔に出てしまうんだけれども、それがいつも嫌味ではない…というか。
面倒なのにつかまっちゃったな~、ではなく、え、この人大丈夫かな、と本気で心配をする表情を出すのだ。
そんな人になりたいな。

ラーメンを食べ、寄り道もせずゲストハウスへ。このゲストハウスも、居心地がいいんだ。だから、早く家へ帰ろう、と思うんだ。日中カップルがごはんを食べていた。おじゃまをしてはいけないと、あいさつだけして、私はテレビを見に行った。
そう、「YOUは何しに日本へ」をみるために。しかし、鹿児島の出水に住んでいる女性が、こっちは映らないのよ!と言っていたので、とりあえずテレビをつけたが、本当に映らない。最近みてないな~。

しょうがないからニュースをつけ、家計簿と日記帳の作成に取り掛かっていると、韓国人の友人から電話がくる。
大爆笑をするほど楽しかった。
それからいろんな人がきて、またいろいろな話をして、その日は0時ころに就寝。
今日は本当にいろいろ出会いがあり、幸せで、満ち溢れた一日だった。

つづく